婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「はい……。エリックさんが、師長から、その、採掘量の資料の写しをもらったと聞いたので……。それで、その資料が表に出てしまったら、数年前からここの採掘量を誤魔化していたことが知られてしまうと思って……」

「なるほどな」
 腕を組んで話を聞いていたヘイデンは、一人納得する。ブルースの話に疑うべきところはない。辻褄は合っている。

「その……。オレはどうなるのでしょうか……」

 ブルースは自分の処分がどうなるのか、ということを気にしている。

「お前はクビだ」
 とヘイデンが言えば、ブルースの顔からさぁっと血の気が引いていく。
「と言いたいところだが。残念なことに採掘師たちの人数も足りていない。だからブルースの処分については、ガイルに任せたい。責任転嫁、かもしれないが。私に君の処分を下すことはできない」
 その言葉の意味を、ブルースは考えた。考えた結果。
「隊長……、ありがとうございます」

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