婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「礼を言うのはまだ早いぞ、この大馬鹿野郎」
 がつん、とガイルの拳がブルースの頭頂部に落ちる。

「お前は減給。二割引きだ」

「え。クビ、じゃないんですか?」

「だから、隊長さんも言っただろ? 俺たち採掘師も人手不足。新しく人を雇ったとしても、使えるようになるまで時間はかかる。俺たちだってお前を失いたくない。だけど、お前がやったこと、それは褒められたもんじゃないし、お咎め無しってわけにもいかない。だからお前はしばらく、給金二割引だ。今までと同じく稼ぎたいなら、今までの二割増しで働かねーとなんねーぞ?」

「働きます。しっかりとやります。ありがとうございます、ありがとうございます」

「てことで、隊長さん。ブルースの件は、これでいいか?」
 ヘイデンはふっと鼻で笑った。これこそ彼が望んでいた結果でもある。だが、彼がそれを口にしてしまえば、他の者たちへの示しがつかない。採掘師たちのことは採掘師たちに任せた方がいいというのがヘイデンの考えだった。

「ああ。ブルースのことはガイルに一任する。ブルース。寛大な処置を与えたガイルに感謝しつつ、これからも仕事に励め」

「はい。ありがとうございます、ありがとうございます」

< 189 / 228 >

この作品をシェア

pagetop