婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
「てことで、隊長さん。俺たちは、現場に戻っていいのか?」

「ああ。今日は時間を取らせて悪かったな。しっかりと頼むよ」

「任せとけ」
 ガイルが立ち上がると、ブルースの腕を引っ張り、彼を立たせる。ブルースは何度も頭を下げてから、会議室を出て行った。
 パタン、と会議室の扉が音を立てて閉じると、ヘイデンは深く息を吐いた。

「お兄さま。お茶でも淹れましょうか?」

「そうだな。あと、イルメリとエメレンス殿下も呼んできてもらえないか? この時間なら、事務所に戻ってきているだろう」

 はい、と頷いたリューディアは事務所へと足を向ける。
 一人残されたヘイデンは、先ほどよりも深く息を吐いた。
 ブルースの証言から、全てが見事につながった。見事につながり過ぎて怖いくらいだ。本当にこれで全てなのだろうか。とりあえず、フニペロを捕まえるためのネタは揃った。きっともう逃れることはできないだろう。

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