婚約者には愛する人ができたようです。捨てられた私を救ってくれたのはこのメガネでした。
魔宝石の原石は魔導具製作に欠かせないもの。ここで原石の採掘量が減れば、人々の生活に影響を与えてしまう。特に、魔力を持たない人々の生活は不便になってしまうだろう。それだけ魔宝石を用いた魔導具というものは、生活の中に溶け込んでいるのだ。
「それで、ディアを魔導士団にという話に行きつくのは少々強引ではないのか?」
コンラット公爵は一人娘のリューディアを溺愛している。それはもう、目に入れても痛くない、毎日でも目に入れていたい、というほどに。だから、モーゼフとの婚約が解消されたことを実は密かに喜んでいた、というのは内緒の話。もう、いっそのこと嫁にはやらず、婿をとって娘夫婦と共に田舎の領地に引っ込んじゃおうか、と思っているくらいに。
「いえ、父上。ディアだってこの魔法公爵家の血を引く者です。本来であれば、学院に通い、教育を受けるべきだった。それを極度の人見知りと、父上の溺愛によって、この屋敷での学習に留まっています。ですが、家庭教師からの話を聞いていますか? ディアは、もしかしたら百年に一人の逸材かもしれない、と」
「むむっ」
と唸って、コンラット公爵は腕を組んだ。
「それで、ディアを魔導士団にという話に行きつくのは少々強引ではないのか?」
コンラット公爵は一人娘のリューディアを溺愛している。それはもう、目に入れても痛くない、毎日でも目に入れていたい、というほどに。だから、モーゼフとの婚約が解消されたことを実は密かに喜んでいた、というのは内緒の話。もう、いっそのこと嫁にはやらず、婿をとって娘夫婦と共に田舎の領地に引っ込んじゃおうか、と思っているくらいに。
「いえ、父上。ディアだってこの魔法公爵家の血を引く者です。本来であれば、学院に通い、教育を受けるべきだった。それを極度の人見知りと、父上の溺愛によって、この屋敷での学習に留まっています。ですが、家庭教師からの話を聞いていますか? ディアは、もしかしたら百年に一人の逸材かもしれない、と」
「むむっ」
と唸って、コンラット公爵は腕を組んだ。