転生したら、シンデレラの姉だった件
 ーそれにしても…と、狭い螺旋 (らせん)階段を上りながら、私は眉を潜める。
 

 ………何だか、この家を…私は良く知っている気が、するんだよね…。
 「チュウチュウ!」
 「チュチュウ!」
 ーそんな私を警戒するように、2匹のネズミが、私の回りをくるくると回った。
 「…もしや、このちょっと太ったネズミさんと、細身のネズミさんは…」
 ーガスと、それから…
 (…いやいやいやいや、いや!
 ー幾らなんでも、それは無いでしょ…!
 …絶対に無い、…とは、言い切れないけど、多分無い…筈…!)
 …この2匹のネズミが、シンデレラと仲の良いネズミさんで…。
 ー此処が、
 「シンデレラ」
 の世界だってことなんて………!
 自分に突っ込みつつ (本日 3度目)、私は、小さな彼等を踏まないよう、慎重に、木製で出来た階段を、上り続ける。
 …そして、階段の突き当たりにあった部屋を、コンコンと、2度ノックした。
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