禁じられた恋はその胸にあふれだす
数日後、彼は目を覚ました。

「よっ、命の恩人。」

「止めて下さい、その言い方。」

「だって、名前知らないし。」

そう言う私も、彼、”大崎悠真”が気になって、毎日病院に顔を出している。


「ねえ、何で血、流してたの?」

「分からない。」

「どこから来たの?」

「分からない。」

「ふざけてるの?」

「ううん。本気。」

えっ?と思った時に、同級生が来た。


「どうやら、記憶喪失らしい。」

「嘘っ!」

私は失礼なくらいに、驚いてしまった。

本当にそんな人、いるの?

彼をまじまじと見ると、ニコッと大崎悠真は笑った。

その笑顔が、お日様みたいに見えた。
< 4 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop