天敵弁護士は臆病なかりそめ妻を愛し尽くす
壱生が面白がるようにして、純菜の顔を見ようとピッピを奪おうとした。しかし「ウー」とうなったピッピに邪魔されてしまう。
「おっと、とんだ護衛がいたな」
その言い方がおかしくて我慢できなかった純菜はプッと噴き出して声をあげて笑った。
普段は人前で声を上げて笑うことなんてほとんどない。しかし今は大好きな犬とたわむれ気持ちが緩んでいた。
しかしすぐに壱生の視線を感じてまた顔を隠そうとした。しかし今度はピッピ自ら純菜の腕から抜けでてしまった。そうなれば隠しようがない。
我に返って恥ずかしくなった純菜は赤い顔のまま壱生を睨んだ。しかし羞恥心から目はうるんでしまっていて、その威嚇に何の意味もない。むしろ……。
「嫌だ。もっと見たい」
壱生の手が伸びてきて、純菜の顎をクイッと上向かせた。顔が固定されてしまい無理やり目が合う。
「な、何するんですか?」
ますます赤くなる顔。しかしこんなシチュエーションに慣れていないためうまく逃げ出すこともできずにされるがままだ。
「だから、もっと見たいって言っただろ」
だから何でなの? その理由を知りたいのにっ。
壱生が至近距離で見つめてくるのでますます顔が赤くなる。耳の先まで熱を帯びている。
早く、どうにかしないと! でもどうしたら?
目をつむって羞恥心に耐える。そのとき
「痛いっ!」
彼の叫び声とともに彼の手が純菜の顎から外れた。さっと身を離して彼から距離を取る。
「痛いっ。やめろって……おい」
壱生は顔をゆがめてしゃがみこんでいる。どうやらピッピが彼の足に噛みついたようだ。
助けてもらえてほっとした。しかしこのまま噛ませるのはピッピのためにもよくない。
「ピッピ、おいで」
純菜がポケットに入れてあったおやつを見せると、すぐに駆け寄って来た。しっぽがちぎれるのではないかと思うほど喜びをあらわにしている。
「いい子だね。よしよし」
「おい! 俺との差は何なんだよ」
壱生は噛まれた足をさすりながら、不満げに漏らした。
痛い思いをしてかわいそうだといつもなら思うけれど、今回は罰が当たったのだと同情しない。
「マジで、どうやったらそんなふうになれるんだ。実は依頼人から少しの間預かってほしいって言われて、ほらあの本宮自動車のお嬢様。離婚成立したけど次の家が決まるまで預かってほしいって」
「おっと、とんだ護衛がいたな」
その言い方がおかしくて我慢できなかった純菜はプッと噴き出して声をあげて笑った。
普段は人前で声を上げて笑うことなんてほとんどない。しかし今は大好きな犬とたわむれ気持ちが緩んでいた。
しかしすぐに壱生の視線を感じてまた顔を隠そうとした。しかし今度はピッピ自ら純菜の腕から抜けでてしまった。そうなれば隠しようがない。
我に返って恥ずかしくなった純菜は赤い顔のまま壱生を睨んだ。しかし羞恥心から目はうるんでしまっていて、その威嚇に何の意味もない。むしろ……。
「嫌だ。もっと見たい」
壱生の手が伸びてきて、純菜の顎をクイッと上向かせた。顔が固定されてしまい無理やり目が合う。
「な、何するんですか?」
ますます赤くなる顔。しかしこんなシチュエーションに慣れていないためうまく逃げ出すこともできずにされるがままだ。
「だから、もっと見たいって言っただろ」
だから何でなの? その理由を知りたいのにっ。
壱生が至近距離で見つめてくるのでますます顔が赤くなる。耳の先まで熱を帯びている。
早く、どうにかしないと! でもどうしたら?
目をつむって羞恥心に耐える。そのとき
「痛いっ!」
彼の叫び声とともに彼の手が純菜の顎から外れた。さっと身を離して彼から距離を取る。
「痛いっ。やめろって……おい」
壱生は顔をゆがめてしゃがみこんでいる。どうやらピッピが彼の足に噛みついたようだ。
助けてもらえてほっとした。しかしこのまま噛ませるのはピッピのためにもよくない。
「ピッピ、おいで」
純菜がポケットに入れてあったおやつを見せると、すぐに駆け寄って来た。しっぽがちぎれるのではないかと思うほど喜びをあらわにしている。
「いい子だね。よしよし」
「おい! 俺との差は何なんだよ」
壱生は噛まれた足をさすりながら、不満げに漏らした。
痛い思いをしてかわいそうだといつもなら思うけれど、今回は罰が当たったのだと同情しない。
「マジで、どうやったらそんなふうになれるんだ。実は依頼人から少しの間預かってほしいって言われて、ほらあの本宮自動車のお嬢様。離婚成立したけど次の家が決まるまで預かってほしいって」