天敵弁護士は臆病なかりそめ妻を愛し尽くす
「こんばんは。夜分遅くにすみません。純菜さんと同じ職場で働いております鮫島と言います。今回の借り入れのお話、少し詳しく聞かせてもらえませんか?」
壱生は相手が話しやすいように丁寧で柔らかいしゃべり方をしている。おそらく純菜の父親も相談しやすいに違いない。
「ええ、……なるほど。そうですか」
父親がどう話をしているのか、壱生の言葉から推測するしかなくてやきもきする。
けれど誰に相談するよりも壱生に相談する方が心強いとわかっているので黙ったまま様子を見守った。
「かしこまりました。とりあえずこちらで対処いたしますのでしばらくお時間いただきます。はい、では純菜さんに代わります」
壱生が差し出した電話を受け取った。
「もしもし、お父さん。大丈夫なの?」
『いや、純菜にまで迷惑かけてすまなかった。そんな悪い人には見えなかったんだ。とにかく鮫島先生にすべてお願いすることにした』
「わかった。あのね、鮫島先生ってすごい人なの。だからきっと全部すっきり解決してくれるから、安心してね」
詳しい話は分からないけれど、壱生ならば必ず解決してくれると信じている。今日の電話で父親も不安になっているに違いないが、少しでも安心して欲しかった。
『ああ、純菜。こんな父親で申し訳ない』
「お父さん、そんなこと言わないで。ね?」
『すまない。気弱になってしまって。でも純菜に素敵な相手がいてくれてよかった。一生結婚しないつもりだと思っていたから』
「え、どういうこと?」
『こんな時間に自宅でふたりだなんて、ただの同僚じゃないだろ?とにかく今度帰って来るときはふたりで来なさい。いいね』
それって今回のトラブルの話をするときってことだよね……。
否定するべきだと思うが、そんな元気もなかった。
「わかった。今度はふたりで帰るね。じゃあ、また」
電話を切った後「はぁ」と大きなため息をついた。
「大丈夫か?」
「はい。あの、プライベートな事なのに助けていただいてありがとうございます」
両親の分まで頭を深く下げた。
「いや、代表は職員の金銭トラブルに厳しい。最悪クビになるぞ」
「えっ、うそ! それは困ります」
この就職難の中、再就職できる自信がない。
「俺だって、お前がいないと困る。だからちゃんとした形で解決するぞ」
「はい、ありがとうございます」
壱生がこの短時間で調べたところ、父親が借り入れをしたところはきちんとした金融業者ではなかった。いわゆる闇金だ。
壱生は相手が話しやすいように丁寧で柔らかいしゃべり方をしている。おそらく純菜の父親も相談しやすいに違いない。
「ええ、……なるほど。そうですか」
父親がどう話をしているのか、壱生の言葉から推測するしかなくてやきもきする。
けれど誰に相談するよりも壱生に相談する方が心強いとわかっているので黙ったまま様子を見守った。
「かしこまりました。とりあえずこちらで対処いたしますのでしばらくお時間いただきます。はい、では純菜さんに代わります」
壱生が差し出した電話を受け取った。
「もしもし、お父さん。大丈夫なの?」
『いや、純菜にまで迷惑かけてすまなかった。そんな悪い人には見えなかったんだ。とにかく鮫島先生にすべてお願いすることにした』
「わかった。あのね、鮫島先生ってすごい人なの。だからきっと全部すっきり解決してくれるから、安心してね」
詳しい話は分からないけれど、壱生ならば必ず解決してくれると信じている。今日の電話で父親も不安になっているに違いないが、少しでも安心して欲しかった。
『ああ、純菜。こんな父親で申し訳ない』
「お父さん、そんなこと言わないで。ね?」
『すまない。気弱になってしまって。でも純菜に素敵な相手がいてくれてよかった。一生結婚しないつもりだと思っていたから』
「え、どういうこと?」
『こんな時間に自宅でふたりだなんて、ただの同僚じゃないだろ?とにかく今度帰って来るときはふたりで来なさい。いいね』
それって今回のトラブルの話をするときってことだよね……。
否定するべきだと思うが、そんな元気もなかった。
「わかった。今度はふたりで帰るね。じゃあ、また」
電話を切った後「はぁ」と大きなため息をついた。
「大丈夫か?」
「はい。あの、プライベートな事なのに助けていただいてありがとうございます」
両親の分まで頭を深く下げた。
「いや、代表は職員の金銭トラブルに厳しい。最悪クビになるぞ」
「えっ、うそ! それは困ります」
この就職難の中、再就職できる自信がない。
「俺だって、お前がいないと困る。だからちゃんとした形で解決するぞ」
「はい、ありがとうございます」
壱生がこの短時間で調べたところ、父親が借り入れをしたところはきちんとした金融業者ではなかった。いわゆる闇金だ。