天敵弁護士は臆病なかりそめ妻を愛し尽くす
 純菜の気持ちを察したのか、ピッピがぺろぺろと顔を舐めてきた。

「あ、今日はお化粧しているから、ダメだよ」

 止めてもなお、まだ舐めようとしている。

「俺に貸して」

「あっ」

 純菜の手からピッピが奪われた。

 壱生は正面からピッピを目を合わせている。

「お前ばっかりずるいぞ。俺は明るい時間禁止されてるのに」

「ちょっと、それは違う……でしょ」

 相手はピッピなのだ。壱生とするキスとは違う。

「違わないだろ、こいつだってオスなんだから」

「確かにそうだけど」

「俺にやきもち妬かせるなんて、こうなったらピッピにしたのと同じだけ俺もキスしよう」

 名案でも思い付いたかのような発言に驚く。こういう顔をしているときはたいていよからぬことを考えている。

「ダメですよ、だって明るいうちはしないってさっき約束したじゃないですか?」

 本当についさっき約束したばかりだ。

「約束は破るためにある……だろ?」

 彼はクスクス笑いながら、純菜の唇にキスを落とした。

 弁護士としては問題発言だ。

 でも……彼には逆らえない。だってこんなに好きなんだもの。

 「たまには……いいかも」 

 いつも真面目な純菜が言わないセリフに、壱生は軽く目を見開いて驚いた。

「じゃあ、遠慮なく続きを」

 壱生が深い口づけを繰り返し、純菜もそれに必死になって応えた。

 そんなふたりのやりとりを、壱生の腕の中のピッピが不思議そうな顔で見ていた。

 END

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