禁断溺愛〜政略花嫁は悪魔に純潔を甘く奪われ愛を宿す〜
東藤らは主に武器密輸組織に加担し、表社会と同じ顔をして警備を行う。
監視カメラや盗聴器に収められた証拠を隠滅したり、売買したりと、半グレ上がりの二代目社長による無秩序な売名行為は、留まるところを知らなかった。
セイカ警備に目をつけたのは、おおかたこちらと同じ理由だろう。
関東中心に成長している東藤セキュリティなら倉庫群の警備会社を鞍替えさせるより、吸収した方が早い。
彼らは特定の組織に所属せず〝セキュリティー〟を販売しているので、あとは他組織が倉庫を所有するのを待つのみだ。
だが、東藤は傘下に収めるだけでなく、口封じのために清華と無理やり婚姻を結んだ。彼女や蒼井家を想うと、胸が張り裂けそうに痛む。
もし……あの時、俺が彼女を手折る選択をしていたら、まだマシな未来があったのだろうか――?
わからない。わからないが、東藤だけは絶対に許せなかった。
情報把握に対する初動が遅れたのを後悔してもしきれない。一刻も早く東藤から切り離して、彼らを助け出してやらなければ。
謀略を巡らせるが気持ちは逸るばかり。記憶に焼き付いた彼女の笑顔を思い出すたびに、喉の奥がヒリヒリと焼ける気がする。
監視カメラや盗聴器に収められた証拠を隠滅したり、売買したりと、半グレ上がりの二代目社長による無秩序な売名行為は、留まるところを知らなかった。
セイカ警備に目をつけたのは、おおかたこちらと同じ理由だろう。
関東中心に成長している東藤セキュリティなら倉庫群の警備会社を鞍替えさせるより、吸収した方が早い。
彼らは特定の組織に所属せず〝セキュリティー〟を販売しているので、あとは他組織が倉庫を所有するのを待つのみだ。
だが、東藤は傘下に収めるだけでなく、口封じのために清華と無理やり婚姻を結んだ。彼女や蒼井家を想うと、胸が張り裂けそうに痛む。
もし……あの時、俺が彼女を手折る選択をしていたら、まだマシな未来があったのだろうか――?
わからない。わからないが、東藤だけは絶対に許せなかった。
情報把握に対する初動が遅れたのを後悔してもしきれない。一刻も早く東藤から切り離して、彼らを助け出してやらなければ。
謀略を巡らせるが気持ちは逸るばかり。記憶に焼き付いた彼女の笑顔を思い出すたびに、喉の奥がヒリヒリと焼ける気がする。