魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
フェンネル領の視察
次の日の朝、
サリナスが部屋から出ると、
階下で争う声が聞こえる。
「レリア、いいね、
余計な事を言わない、やらない!」
「わかってるって!!」
レリアが言い返している。
もう一人は誰なのか・・・
わからないが、
老婆の低めのしゃがれ声のようだ。
「おはよう」
サリナスが階段の上で、
階下にいるレリアに声をかけた。
「ああ、あの、おはようございます」
レリアは、少し緊張気味に振り向いて、見上げた。
白のブラウスと黒のベスト、
花模様の刺繍でいっぱいのスカート、
とび色の髪はハーフアップにしている。
昨日と比べると、大人っぽい。
「今日はとてもかわいいな」
サリナスは、素直に感想を述べた。