魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
ケイレブは、心にもない事を
平気で言うが・・・

「へへ・・・
フェンネルの衣装なの、
きれいでしょう」

レリアが恥ずかしそうに、
裾をつまんで、
でもちょっと、うれしげに笑った。

「朝食が準備できています」
店主が、
レリアのテンションを
押さえるように低い声をかけた。

「レリア、紅茶を入れてさしあげなさい」
「はぁい」
それでも、声がやや高めだ。

サリナスが席に座ると、
レリアが、紅茶ポットを持って、
前の席に座った。

「あの、今日はどこに行きたいのか、
希望を聞いておけって言われて・・」

レリアが、カップに紅茶をこぼさないように、慎重に注いでいる。

「そうだな、私は歴史が好きなんだ。だから史跡とか、
あと、釣りもやってみたいな」

サリナスは、正面に座っている
レリアに微笑んだ。

「ルートを決めよう」
上着のポケットから、
フェンネル領の地図を、取り出した。
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