魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
「そのっ、地図がなくても、
私が案内するから、
大丈夫・・・です」

レリアの視線が、なぜか厨房の方に向かって、揺れている。
そこへ、
店主がオムレツとカリカリベーコンの皿を、持って来た。

「お客様、山を歩くのなら、
厚手の靴下と登山靴のほうがいいでしょう。
お貸しします」

店主は、レリアに念を押すように

「レリア、お客様は山には慣れていない。
奥にはいかないようにな。
それから昼は・・」

レリアは、すぐにさえぎって

「魚を釣るから、大丈夫っ!!」
うれしそうに、魚を釣る真似をした。

「釣れない場合もあるだろう」
サリナスが、疑問を呈した。

「釣り場は、フェンネル様の山荘近くだから、
その時は、台所をお借りすれば
いい」
店主が、レリアに鍵を渡した。

「小麦粉や砂糖、塩、香辛料が
あるから、種無しパンぐらいは、焼けるだろう」

「うん!」
レリアは、元気いっぱいで答えた。
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