魔法の恋の行方・シリーズ6・魔女の初恋(レリアとサリナス)
「昼過ぎには戻ってくるんだぞ。
危険な場所はわかっているな」

店主は心配そうな口調で
「お客様、昼飯が済んだら、
お戻りください。

山の天候は急に悪くなるし、
雷も危険ですから」

「ああ、わかった。
私も明日、朝早くに、ここを出発しなくてはならないからな」

レリアは早く出かけたいのだろう。
足をバタバタさせている。

「山荘までは、馬車で行きなさい。帰りも楽だから」

店主は、よほど孫娘が心配で、
かわいいのだろう。

「じゃぁ、サリィ、行くぜっ!」

レリアが走って、黒猫亭から
飛び出して言った。

「お客様を、呼び捨てにするなんて!!
申し訳ありません、
しつけが行き届かなくて」

店主が、90度きっちりに
頭を下げた。

「いや、私がそう呼んでかまわないと言ったのだから」

サリナスは苦笑して、立ち上がった。
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