9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
エリーが、屈託のない笑顔でニコッと微笑む。

「セシリア・サシャ・ランスロ―です。よろしくね、エリー」

「これから皇帝陛下に謁見なさるとのことですので、さっそくですが、身支度をお手伝いしますね」

エリーは表裏のない雰囲気の快活な少女で、セシリアの湯浴みを手伝ってくれたあと、ドレスを着つけながらたくさんの話をしてくれた。

「それにしても本当にお美しい肌ですね。真っ白で、絹のようですわ。髪もとても艶やかで本当に美しいです。あの皇太子様がお妃様を連れ帰ったと耳にしたときには驚きましたが、セシリア様なら納得ですわ」

「そんな……。美しくなんかはないわ」

九度も人生を繰り返し、そのたびにエヴァンに魅力がないとさんざん言われてきたセシリアである。

ちょっとやそっとのお世辞では動じない。

そんなセシリアを、エリーは「またまた、謙遜なさって!」と上手にあしらう。

処世術に長けた少女のようだ。
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