9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
結婚する二年前、セシリアが十八歳でエヴァンが二十二歳の、城で夜会が開かれるの日の真昼間。

セシリアが密かに使える魔法――時空魔法を発動したときは、一度目を除いて、いつもこの場面に戻るのはなぜだろう。


そう、セシリアは火・水・風・土といった一般的な属性の魔法は使えないが、時空魔法が使えた。それを知ったのは、十一歳の頃である。

優しかったはずのエヴァンが冷たくなり、『役立たずの聖女』と罵られるようになったのがきっかけだ。

自分がいったい何をしたのか。

どうしてエヴァンはそんなにまで自分だけを嫌うのか。

セシリアにはまったく理解できず、泣き明かす日々が続いていた。

そんなある夜、セシリアは布団の中で、エヴァンが優しかった頃に戻りたいと強く願う。

すると身体中に熱がみなぎり、光が視界を覆って、何も見えなくなった。
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