9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
そしていつの間にか、ダリス神の前で婚約を誓う婚約の儀すらまだ済ませていない、婚約者になりたての頃に戻っていた。

『この子が新聖女かね? 魔法も使えないとは嘆かわしい。どうしてダリス神はこのようなみじめな娘を聖女にお選びになったのだ』

目の前には、セシリアがまったく魔法を使えないと知って嘆いている司祭がいた。

『聖女ならば、必ず何かしらの魔法を操ると文献には書いてあったというのに――』

ため息まじりのその声を耳にしたセシリアは、つい先ほど起こった不思議な現象が、自分の魔法によるものではないかと推測した。

そのあとでエンヤード城内にある大きな図書館に赴き、魔法辞典をくまなく調べた。

そして、時の流れを遡る“時空魔法”と呼ばれる魔法が、この世にあることを知ったのだ。

時空魔法は一般的な魔法ではなく、その存在自体知らない人も多い。
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