9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
時空魔法を使った者は、死後、舌に時空魔法を使った数だけ白線が現れるらしい。

魔力が原因で死んだ者の死後に印として現れる、魔法班と呼ばれるものだ。

(やっぱり、時空魔法は十回が限度なのね。九回使えただけでも私は幸運だわ)

セシリアが改めて身震いしていると。

「随分真剣に読んでおられますね。時空魔法に興味がおありなのですか?」

突如背後から声がして、セシリアは肩を跳ね上げた。

振り返ると、黒のローブを身に纏った、銀髪の男がいる。

中世的な美しさの、不思議な魅力のある男だった。

(びっくりした。まったく気配がしなかったわ)

驚きで言葉を失っているセシリアには構わずに、男は屈託のない笑みを浮かべた。

「急にお声をお掛けして申し訳ございません。僕は、魔導士のベンジャミン・サイクフリートと申します」

「ベンジャミン様? 皇太子殿下の側近の方ですか?」
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