9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
『世界美容大全集』――七度目の人生で、セシリアが行きつけのエンヤード城内の図書館にて愛読していたのはたしかそんな名前の本だった。

美容に関する本を読みたいと告げると、図書館長のシザースが、どっしりとしたその本を書庫から抱えて持ってきてくれたのだ。

その本を参考に、セシリアは自室にて、さまざまな美容液を調合した。

その結果もっとも効いた美容液を、コレットのために調合することにした。

複雑な工程の美容液が多い中で、それはいたってシンプルな作り方だった。

国によっては雑草として扱われているマロスの葉を茹でて潰し、そこにラピンの実の果汁を混ぜるだけのものだ。

マロスの葉には高度の保湿効果が、ラピンの実には保湿効果を長期に渡り持続させる効果がある。

マロスの葉は王城内の庭園を散策して見つけ、ラピンの実はエリーに頼んで街で買ってきてもらった。

調合した美容液をコレットに渡し、日光浴をやめてもらったところ、わずか一週間で彼女の肌は見違えるように潤ったらしい。
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