9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
それゆえ日を浴びると皺に効くという話に忠実に従ってきたのだろう。

よく見ると肌がカサカサに乾燥し、白粉が浮いている。

コレットはまた手鏡を覗き込み、今にも泣きそうな顔をした。

「もう手遅れかしら……? これでは、皇帝陛下の御心が離れていってしまうわ」

「よかったら、皺に効く美容液をお作りしましょうか? 私も以前に使っていたのですが、お肌が見違えるように綺麗になりますよ」

「まあ、本当? お願いしていいかしら」

コレットのすがるような眼差しが、セシリアの胸に刺さる。

こんな風に誰かに頼りにされたのは、いったいいつぶりだろう?

セシリアは俄然やる気になって、笑顔で大きく頷いた。

「はい。もちろんでございます」
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