9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
「研究所で新薬の開発に携わりたい?」

その夜、部屋を訪れたデズモンドに、セシリアはさっそく願い出た。

「はい。エンヤード王国にいた頃、薬学について学んだことがあるのです。エンヤード王国は薬学が進んでいて、長期風邪の薬も開発されています。風邪をこじらせている妃たちのために調合できたらと思いまして」

半ばでたらめで半ば本当の話を持ちかける。

八回目の人生のとき、薬の開発に関わりたいとエヴァンに申し出た際、嘲笑されたのを思い出す。

『君のような役立たずが研究所に入り浸るだと? 冗談はよしてくれ。研究者たちの足手まといになるだけだ』

だからセシリアは人目をかいくぐって、ひっそりと薬師と連携したのだ。

城内にはセシリアを卑下している者が多い中で、その薬師は研究一筋で、セシリアの立場になど興味がなかったのは幸いだった。

(デズモンド様なら、きっと許可をくださるはず)

すると、デズモンドがうっすらと口角を上げる。

「いい目をするようになった」

「え……?」
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