9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
それでも、これまではデズモンドが後宮までセシリアを訪ねに来てくれたため、毎夜会えていた。

だが魔力熱で倒れて以降、それもなくなり、めっきり会わない日々が続いていた。

だがどういうわけか、エヴァンがオルバンス城に来てからというもの、あらゆる場所で彼の姿を見る。

渡り廊下だったり、玄関ホールだったり、庭園だったり、日によって場所は違うが、いつも渋顔を浮かべていて、まるでエヴァンと一緒にいるセシリアの様子を観察しているようだった。

そんなときは決まって、後ろから追いかけて来たベンジャミンが「デズモンド様、怖い顔をしないでください! ほら、ご政務中ですし!」とデズモンドをどこかにさらっていく。

そんな態度をとるデズモンドの意図が分からず、困惑の日々が続いた。

(ようやく、滞在の日も今日で最後だわ)

セシリアにとって、とてつもなく長い一週間が終わろうとしていた。
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