9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
(たしかにそうだわ。エヴァン様には殴られたこともあるけれど、友好条約を締結した今、ひどいことはなさらないはず。信仰心の強い御方だから、きっと異国の神について純粋に知りたいのでしょう)

「それもそうでしたわね。失礼いたしました」

セシリアが笑顔を作って室内に戻るのと入れ替わるようにして、従者たちが外に出て行く。

神殿内には、セシリアとエヴァンだけが残された。

「それでは、こちらの壁画をご覧ください」

早く説明を終えて退散しようと、セシリアは行動を急いだ。

歴史的価値の高い壁画を指し、オルバンス帝国に来てから学んだ、ユルスツク神に関するの知識を口にする。
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