9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
聖女は、ダリス神の使い。聖女を蔑ろにすることは、ダリス神を蔑ろにすることも同然であり、神への冒涜と捉えられる。

そしてダリス神を裏切った王は、破滅の一途をたどるのだ。

(エヴァン様と一緒だわ…)

エヴァンも、セシリアを蔑ろにして、他の女性ばかりを抱いていた。

そのため、ダリス神の怒りを買ったのだろう。

真相を知ったセシリアは、心から反省する。

(私がちゃんとエヴァン様の御心を繋ぎとめていれば、エヴァン様も不貞など働かれなかったでしょうに。すべては私の責任だわ)

出自が悪く、秀でた容姿でもなく、魔法も使えないセシリアは、自分に自信がない。

そのためエヴァンが若くして死んでしまったのは自分のせいなのだと、強く思いむようになった。

エヴァンの命を救うためにセシリアがすべきなのは、戦争を止めることではなく、彼に愛されるよう尽力することだったのだ。 
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