9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
しばらくじっとベンジャミンを凝視していたデズモンドだったが、やがて「そうか……」と息を呑むように言った。

「あのとき、正妃に暗黒魔法を使ったのはお前なのか?」

にこにことしていたベンジャミンの銀色の瞳に、スッと影が宿る。

そのままベンジャミンは、押し黙ってしまった。

セシリアには、デズモンドが何について言っているのか分からなかったが、ベンジャミンのその態度の変化を肯定と捉える。

(ベンジャミン様は、暗黒魔法も使えるってこと? 待って、じゃあ、四回目のループの際、エヴァン様を暗黒魔法で殺したのは、ベンジャミン様だったの?)

セシリアしか知らない出来事であり、今のベンジャミンには覚えのないことなので、確かめようがない。

だがセシリアは、確信を得た。

デズモンドに忠誠を誓っているベンジャミンなら、きっとそうする。

先ほど、グラハムの襲撃からデズモンドを守ったように。
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