9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
小声で答えると、デズモンドは気をよくしたように微笑んだ。

それから立ち上がると、セシリアの身体をいとも簡単に横抱きにしてしまう。

セシリアを天涯付きのベッドに寝かせると、デズモンドは着ていたシルク仕立ての白シャツを脱ぎ捨てる。

まるで彫像のごとく鍛えられた上半身の筋肉が露になって、セシリアは目のやり場に困った。

ギシッとベッドをしならせ、セシリアに馬乗りになるデズモンド。

器用な手つきでドレスを脱がされ、セシリアもあっという間に一糸纏わぬ姿にされてしまう。

恥ずかしさから身体を丸めようとしても、腕をひとまとめにして阻止され、煌々とランプが照らす部屋で身体の隅から隅までくまなく眺められた。

興奮しているのか、彼の息が、次第に堰を切ったように上がっていく。

「ああ、美しい……。君はどうしてこうも美しいんだ」
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