9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
七度目の人生では、自分の容姿を磨くことに専念した。

どうにか金銭をやりくりして、マーガレットのような派手なドレスを纏うように努力する。

本を読み漁り、美容や化粧の知識も豊富になった。

だがエヴァンの反応は、『下品な格好だ』『聖女のくせに男でもたぶらかすつもりか』とさんざんで、あろうことかこれまでで一番毛嫌いされてしまう。

オルバンス帝国との戦争は防げたが、エヴァンは二十八歳でまたもや疫病に命を奪われてしまった。

エヴァンの命を救うことはできなかったが、セシリアはこれまでのやり直し人生の中で、オルバンス帝国との戦争を防ぐ手立てをなんとなく知った。

エヴァンがオルバンス帝国に戦争を仕掛けた二度目から五度目の人生では、聖女らしくあるよう、または婚約者や王妃として彼の役に立てるよう、セシリアは積極的に彼と関わりを持った。

だがそうするとなぜか、エヴァンはすぐに『戦争だ』『侵攻だ』と騒ぎ立てる。
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