９度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます

だが魔法修行で接する機会の少なかった六度目、そして自分磨きに必死で彼をおざなりにしていた七度目、彼は戦争をしなかった。

つまりどうしてかは分からないが、セシリアが積極的にエヴァンと関わりを持たない方が、彼は戦争を仕掛けず大人しくしているらしい。

そして挑んだ八度目の人生。

セシリアはエヴァンと関わりを持たないよう注意をしながら、未来に流行る疫病に効く薬を開発することから始めた。

まずは疫病関連の書物を読み漁り、疫病が猛威を振るう病に変化する前、初期の長期風邪の段階で食い止めることが必須だと知った。

そして独学で薬学を学び、薬学研究所の薬師とともに、極秘で長期風邪の薬の開発に携わった。

長期風邪が流行るとほぼ同時に完成したそれを、特効薬と称して国中に配った。

その結果、疫病が本格的に猛威を振るう前に、消滅させることができたのである。