9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
(うっかりしていたわ。エヴァン様は、愛国心がお強いのよ。だから拒否されているのね)

何度かの人生でオルバンス帝国に無謀な闘いを挑んだのも、裏を返せば愛国心がゆえの行動だったとも考えられる。そうか、こうくるのか。

セシリアはぐっと歯を食いしばる。

「構いません、私を投獄してください」

「話にならんな。役に立たないとは思っていたが、加えてこれほど無能とは」

呆れたような顔をしているエヴァンは、セシリアが何を言っても、取り合うつもりはないようだ。

たまらなくなったセシリアは、ついに本音を漏らしてしまう。

「私は、あなたをお救いしたいのです……っ!」

「何を言っている? 君は聖女なのだから、俺の妻となって神の加護のもとにこの身を救えばよいだろう? これ以上は話しても無駄だ」

エヴァンは不機嫌な口調で言い放つと、顎をしゃくって、木陰に控えていた従者に合図を送った。
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