9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
セシリアは六度目の人生で魔法城に滞在した際、本物のルキウスを見た。
そこにあるだけで圧倒されるような、見るも神々しい剣だった。
間違っても、フードマントの男が自慢げにかざしているような安っぽい代物ではない。
だが派手な身なりの客は、古物商らしき男の話をすっかり信じ込んでいる。
酔っ払っているせいか顔がはっきり見えないが、身体中を金や宝石でごてごてと着飾っており、金目の物には目がないようだが、センスは感じられない。
「鑑定書はあるのか?」
「もちろんだ、ほら」
古物商らしき男は、いかにもといった年季の入った紙を広げて見せる。
派手な身なりの男が、目を輝かせた。
「本当だ、鑑定協会の承認印が押されている。ボクの目に狂いはない。これは本物のルキウスだ! 頼む、売ってくれ。ルキウス手にする日を、ずっと夢見ていたんだ」
「どうしようかな。四万ガッシュでなら考えてやろう」
(四万ガッシュですって?)
セシリアは、酒を吹き出しそうになる。
四万ガッシュというと、立派な部類の貴族の邸宅を買える程度の額である。
たしかに高額だが、本物のルキウスならそれくらいの額で入手は不可能だろう。
手が出せる程度の高額な値をふっかけるのは、詐欺師が偽物を売りつける際の常套手段だ。
「さすがは伝説の剣、安くはないな。だが、このボクに出せない額ではない」
(いやいや、ちょっと待って! ルキウスがそんなところにあるわけないでしょ)
脱走中の身ゆえ、なるべく目立たないようにしようと思っていたセシリアだったが、酒が回っているせいか動かずにはいられなかった。
「お待ちください。この鑑定書は、本物なのですか~?」
突如話に割り込んできた見ず知らずの女を、フードマントの男が不快そうに見上げる。
「なんだ、この女」
そこにあるだけで圧倒されるような、見るも神々しい剣だった。
間違っても、フードマントの男が自慢げにかざしているような安っぽい代物ではない。
だが派手な身なりの客は、古物商らしき男の話をすっかり信じ込んでいる。
酔っ払っているせいか顔がはっきり見えないが、身体中を金や宝石でごてごてと着飾っており、金目の物には目がないようだが、センスは感じられない。
「鑑定書はあるのか?」
「もちろんだ、ほら」
古物商らしき男は、いかにもといった年季の入った紙を広げて見せる。
派手な身なりの男が、目を輝かせた。
「本当だ、鑑定協会の承認印が押されている。ボクの目に狂いはない。これは本物のルキウスだ! 頼む、売ってくれ。ルキウス手にする日を、ずっと夢見ていたんだ」
「どうしようかな。四万ガッシュでなら考えてやろう」
(四万ガッシュですって?)
セシリアは、酒を吹き出しそうになる。
四万ガッシュというと、立派な部類の貴族の邸宅を買える程度の額である。
たしかに高額だが、本物のルキウスならそれくらいの額で入手は不可能だろう。
手が出せる程度の高額な値をふっかけるのは、詐欺師が偽物を売りつける際の常套手段だ。
「さすがは伝説の剣、安くはないな。だが、このボクに出せない額ではない」
(いやいや、ちょっと待って! ルキウスがそんなところにあるわけないでしょ)
脱走中の身ゆえ、なるべく目立たないようにしようと思っていたセシリアだったが、酒が回っているせいか動かずにはいられなかった。
「お待ちください。この鑑定書は、本物なのですか~?」
突如話に割り込んできた見ず知らずの女を、フードマントの男が不快そうに見上げる。
「なんだ、この女」