9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
実家で暮らしていた頃も、城で暮らすようになってからも、セシリアを助けてくれるような人はいなかった。
それでよかったのだ。
自分は守られるような存在ではないし、自分のせいでこの国の王太子が死んでしまうなど論外。
それが、役立たずの聖女の宿命だ。
そう思っていたはずなのに――。
ぐすぐったいような泣きたいような気持になりながら、セシリアはあっという間に意識を手放した。
それでよかったのだ。
自分は守られるような存在ではないし、自分のせいでこの国の王太子が死んでしまうなど論外。
それが、役立たずの聖女の宿命だ。
そう思っていたはずなのに――。
ぐすぐったいような泣きたいような気持になりながら、セシリアはあっという間に意識を手放した。