9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
実家で暮らしていた頃も、城で暮らすようになってからも、セシリアを助けてくれるような人はいなかった。

それでよかったのだ。

自分は守られるような存在ではないし、自分のせいでこの国の王太子が死んでしまうなど論外。

それが、役立たずの聖女の宿命だ。

そう思っていたはずなのに――。

ぐすぐったいような泣きたいような気持になりながら、セシリアはあっという間に意識を手放した。

< 62 / 348 >

この作品をシェア

pagetop