9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
ベンジャミンは、大魔導士であり侯爵でもあるエンリケ・サイクフリートの息子だ。
それゆえ幼い頃から魔法修行を積んできた彼も魔導士を名乗っているが、実際は火起こし程度の魔法しか使えない。
魔導士としては落第だが、その知識と愛嬌のよさを買って、デズモンドは側近に据えている。
ちなみにベンジャミンの妹のジゼルは、エンリケにも匹敵するかなりの魔法の使い手だ。
「お前に聞きたいことがある」
《何でしょう? ていうかお土産忘れないでくださいよ。エンヤード王国特産のピノの実の甘酒漬け、ものすごく美味しいんですから。頼みますよ!》
ベラベラと捲し立てられた会話は無視して、デズモンドは早急に本題に入った。
「ある女の行方が知りたいんだ」
《女ですか? はあ、いいですよ。――ていうより、女って言いました!?》
「ああ。昨晩抱いたが、朝起きたらいなくなっていた。だから力を貸して欲しい」
《なな、なんと……っ!》
それゆえ幼い頃から魔法修行を積んできた彼も魔導士を名乗っているが、実際は火起こし程度の魔法しか使えない。
魔導士としては落第だが、その知識と愛嬌のよさを買って、デズモンドは側近に据えている。
ちなみにベンジャミンの妹のジゼルは、エンリケにも匹敵するかなりの魔法の使い手だ。
「お前に聞きたいことがある」
《何でしょう? ていうかお土産忘れないでくださいよ。エンヤード王国特産のピノの実の甘酒漬け、ものすごく美味しいんですから。頼みますよ!》
ベラベラと捲し立てられた会話は無視して、デズモンドは早急に本題に入った。
「ある女の行方が知りたいんだ」
《女ですか? はあ、いいですよ。――ていうより、女って言いました!?》
「ああ。昨晩抱いたが、朝起きたらいなくなっていた。だから力を貸して欲しい」
《なな、なんと……っ!》