9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
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エヴァンは、ひどい頭痛で目を覚ました。
夜会に参加したものの、どうにも落ち着かず、早々に切り上げて部屋で酒を飲んでいたのだが、いつの間にか朝を迎えていたらしい。
ベッドの上に起き上がり、金色の前髪を掻き上げる。
窓の向こうには爽やかな朝の景色が広がっているのに、頭が絶え間なくズキズキとして、気分がひどく優れなかった。
(せっかくの夜会なのに、まったく楽しめなかった。それもこれも、セシリアのせいだ)
昨日のセシリアは、いつもと様子が違った。
まず、夜会にはセシリアではなくマーガレットを同伴すると告げたとき、いつものように悲しげな顔を見せることなく、あっさりと引き下がった。
まるで、エヴァンが誰と夜会に参加しようが、どうでもいいかのように。
それから、その数刻後。
わざわざ訓練所の門の前でエヴァンを待ち伏せして、突如婚約破棄をしたいと申し出たのだ。
(まさか、あんなことを言い出すとは。非常識にもほどがある)