9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます

   ※
 
エヴァンは、ひどい頭痛で目を覚ました。

夜会に参加したものの、どうにも落ち着かず、早々に切り上げて部屋で酒を飲んでいたのだが、いつの間にか朝を迎えていたらしい。

ベッドの上に起き上がり、金色の前髪を掻き上げる。

窓の向こうには爽やかな朝の景色が広がっているのに、頭が絶え間なくズキズキとして、気分がひどく優れなかった。

(せっかくの夜会なのに、まったく楽しめなかった。それもこれも、セシリアのせいだ)

昨日のセシリアは、いつもと様子が違った。
 
まず、夜会にはセシリアではなくマーガレットを同伴すると告げたとき、いつものように悲しげな顔を見せることなく、あっさりと引き下がった。

まるで、エヴァンが誰と夜会に参加しようが、どうでもいいかのように。

それから、その数刻後。

わざわざ訓練所の門の前でエヴァンを待ち伏せして、突如婚約破棄をしたいと申し出たのだ。

(まさか、あんなことを言い出すとは。非常識にもほどがある)
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