9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
エヴァンは一瞬、侍従長が何を口走っているのか理解できなかった。
「新聖女だと? そんなわけがない。聖女はこの国にもうすでにいるではないか」
「はい、存じております。ですが明朝知らせがあり、司祭が確認に行ったところ、間違いなくその侯爵家の幼い令嬢の手首に聖女の証が浮かんでいたとのことでございます。伝聖が起こったのだろうと、司祭は言っておりました」
「―――――は?」
自分でも聞いたことのないような間抜けな声が出た。
“伝聖”とは、聖女が亡くなった際、新たな聖女が生まれるときに起こる現象だ。
セシリアは、エヴァンの祖母にあたる旧聖女が崩御した際、伝聖によって十一歳で新聖女に選ばれた。
「それでは、セシリアは………」
動揺で、徐々に視界が暗転していく。
「……死んだのか? どうして……昨日まで、何もなかったではないか……」
声が震えて、喋るのもやっとだった。
「新聖女だと? そんなわけがない。聖女はこの国にもうすでにいるではないか」
「はい、存じております。ですが明朝知らせがあり、司祭が確認に行ったところ、間違いなくその侯爵家の幼い令嬢の手首に聖女の証が浮かんでいたとのことでございます。伝聖が起こったのだろうと、司祭は言っておりました」
「―――――は?」
自分でも聞いたことのないような間抜けな声が出た。
“伝聖”とは、聖女が亡くなった際、新たな聖女が生まれるときに起こる現象だ。
セシリアは、エヴァンの祖母にあたる旧聖女が崩御した際、伝聖によって十一歳で新聖女に選ばれた。
「それでは、セシリアは………」
動揺で、徐々に視界が暗転していく。
「……死んだのか? どうして……昨日まで、何もなかったではないか……」
声が震えて、喋るのもやっとだった。