若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
「マリーさん、着きましたよ。」
マリーはトムの声にハッと飛び起きた。昨晩は、緊張でほとんど眠れていなかったので、いつの間にか、荷台で眠ってしまっていた。
「す、すみませんっ!!」
マリーは急いで荷馬車を降りた。
目の前には、木造の古い平屋が建っていた。
「慌てなくても大丈夫ですよ。ロバを繋いでくるので、少し待っていてください。」
と、トムは優しく言った。
トムはロバを荷車から外すと、ロバ小屋に連れて行き、小屋に入れると、水と餌を与えた。
それから、マリーのところに戻ってくると、
「ここが家です。」
っと言って、マリーを家に招き入れた。
家の中は、外の古びた感じよりきれいで、どちらかといえば、新しくさえ思えるほどだった。
「綺麗にされているんですね。」
と、マリーが言った。しかし、
トムはお構いなしに、淡々と案内をしていく。
「ここは食事をするところで、ここは台所です。と言っても、竈は小さいので、暖炉で鍋を火にかけることの方が多いんですがね。」
「はい・・・。」
「水は裏手にある井戸の水を使っています。それから、ここがマリーさんの部屋です。」
と言って、扉を開けた。
すると、狭い部屋ながらも、ベッドと小さなタンス、窓の側には机と椅子が置かれていた。
マリーは驚いた。明らかに一人部屋である。
トムは、次に隣の部屋を開け、
「私の部屋はここです。」
と言った。するとそこにもベッドが一台置かれており、マリーの部屋と同じような配置で、小さなタンスと机と椅子が置かれていた。
マリーは、トムに、
「あの・・色々と用意してくださってありがとうございます。」
と、言った。トムは、優しく微笑みながら、
「殺風景な部屋で申し訳ない。何か足りない物があれば言ってください。」
と言った。マリーは慌てて、
「いえ、こんなによくしていただいて…。本当にありがとうございます。」
と、言った。