若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
「トムさん、最初に私の生い立ちについて話しておきます。私は孤児です。私は赤ん坊の頃に、教会の前に捨てられていたそうでうす。」
と、話始めると、すぐにトムが、
「無理に話さなくても大丈夫ですよ。孤児であることは神父さまから聞いて知っていました。」
と、言った。
マリーはそれでも、話を続けた。
「いえ、大丈夫です。聞いてください。私が捨てられていたのは、20年前の冬…その日はとても寒く、雪もたくさん積もっていて、とても静な夜だったそうです・・・そのおかげで、神父さまも赤ん坊の泣き声にすぐに気づいたそうです。」
マリーの言葉にトムの片眉がピクリと上がり、
「冬・・・」
と小さく呟いた。
マリーはすぐに気づき、
「どうかされましたか?」
と言った。トムは、
「いえ、なんでもありません。続けてください。」
と言った。マリーは気を取り直し、話を続けた。
「それから、ずっと教会の手伝いをしながら、暮らしてきました。だから学校も、村の学校しか出ていません。」
「そんなことは気にしなくていいですよ。そんなことより、ご両親の手掛かりになるようなものは残っていないのですか?」
と、トムは言った。マリーは、
「私の名前は神父さまがつけてくださいました。両親の手掛かりになるものは・・・・」
と言いながら、襟元に手を入れると、ペンダントを取り出した。小さな緑色の石が入ったペンダントだった。トムはそれを見ると、
「少し見せていただいても?」
と言った。マリーは首から手慣れた手つきでペンダントを外すと、
「どうぞ。」
と言って、トムに差し出した。トムはペンダントを手に取ると、
「綺麗なペンダントですね。それにこの石、マリーさんの目の色と同じだ。かなり凝ったデザインですし、ご両親はもしかしたら貴族かもしれませんね。」
と言った。
「私にはよく分からないのですが、神父さまが、いつか家族を捜す手がかりになるかもしれないから、これは売ってはいけないと、持っていなさいとおっしゃったので。」
「その方がいいと思います。」
と、トムも言って、マリーにペンダントを返した。
その話をきっかけに、二人は教会の孤児院の話や森の中の生活についてなど、深夜まで話し込んだ。