若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
「マリー、新婚生活はどう?楽しんでる?」

と、リリアンが興味津々で聞いてきた。

「え?ええ、まあ・・・。」

「どうしたの?何かあった?」

マリーの曖昧な答えにリリアンが心配そうに聞いた。

「実は・・・」

マリーはリリアンに、トムが一向に男女の関係を求めて来ないことを打ち明けた。

リリアンは神妙な面持ちで時々頷きながら、マリーの話を聞いた。全部聞き終えると、リリアンは、

「考えられることは3つね。」

と、切り出した。

「3つ?」

「そう、3つ。1つ目の可能性は、もし、そういうことをして、マリーに子供が出来たとしたら、トムさんはあの年齢よ、確実に子供が大きくなる前に、マリーは未亡人の子持ちになってしまう。身寄りのない私たちにとって子供を一人で育てるのは大変よ。そういうことを考えて敢えて我慢しているのかもね。」

「なるほど・・・全く想像がつかなかったわ。」

「2つ目は、単純に結婚式が終わってからって考えているのかも。マリーの気持ちが固まったら、結婚式を挙げるのよね?」

「確かに。結婚式は待ってもらっているわ。」

「マリーの気持ちを尊重してくれている可能性もあるわ。その場合、そういうことは必然的に結婚式の後になるわね。」

「いずれにしても、私の事を考えてのことなのね。」

「そして3つ目は・・・」

「3つ目は?」

マリーはゴクリと息を呑んだ。

「不能ね。」

「不能?」

「そう。年齢的にもう無理ってこと。」

「そういうものなのね。」

「でも、この可能性は低いと思うわ。トムさんって、見かけより足腰もしっかりしているし、同じくらいの年の人と比べても、動きが若いのよね。」

「さすが。リリアンの観察眼は相変わらずね。たしかに、薪を簡単に割ってしまうし、あの年齢なのに、何でも一人で出来るから、私が手を貸すようなことも一度もなかったわ。逆に私が助けてもらっているくらいなの。」

「とりあえず、申し訳ないとか思わないで、結婚式が終わってから、また悩んだら?」

「ええ。そうするわ。リリアン、ありがとう!」

「いえいえ。それより、結婚式は近々挙げられそう?」

「そうね、そろそろ考えてみるわ。」

と、マリーは笑顔で答えた。
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