若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
マリーは唖然とした。
先ほどまでいたはずのトムが忽然と消えてしまったからだ。
青年は、目を開けると、手をつきながらゆっくりと上半身を起こした。
そして青年は、何かを確認するように自分の両手の甲と掌を交互に動かしてから、マリーの方を見て、
「マリーさん、ありがとうございます。あなたのお陰で元の姿に戻れました。」
と、言った。
マリーは、その青年の言っていることが分からず、
「あなたは誰?トムさんはどこ?どうして私の名前を?」
と、矢継早に質問した。
「信じられないかもしれませんが、私はトムです。ここにいます。だからマリーさんの名前を知っているんです。」
マリーは、
「な、何を言っているの?トムさんはどこ?トムさんを返して!!」
と、感情的に半分怒りながら、そして、半分泣きながら、その青年に訴えた。
青年は、泣いているマリーを見て、大丈夫だと言ってマリーを抱きしめたいと思ったが、そんなことは出来るはずもなく、一瞬悲しそうな表情を浮かべたが、
ゆっくり立ち上がると、マリーの方を見て、
「すみません。突然のことで混乱しますよね。私はあちらの部屋にいるので、落ち着いたら話を聞いてください。」
と、優しく声をかけてから、部屋を出て行った。