若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
しばらくすると、マリーはシチューとパンの焼ける香りで、目が覚めた。
すでに外は明るく、太陽が一番高い位置まで上っていた。
マリーはベッドから飛び起きた!
『トムさんが帰ってきた!!』
マリーはそう確信すると、勢いよくドアを開けた。
「トムさんっ!!」
バン!!
しかし、そこには、トムの姿はなく、先ほどの青年が驚いた顔でマリーを見ていた。青年は既にシャツとズボンに着替えていた。
マリーはあからさまに肩を落とした。
そんなマリーに青年は、
「マリーさん召し上がりませんか?朝から何も食べていないでしょう。」
と、優しく声をかけた。マリーは一瞬躊躇したが、お腹が空いていたので、頂くことにした。
「はい。・・・いただきます。」
マリーはそう言うと、いつもの自分の席に座った。
マリーの前に、パンとシチューが並べられた。
「どうぞ。」
「…いただきます。」
マリーはシチューを一口飲むと、驚いた。
『これ、トムさんの作るシチューだ!』
マリーは慌ててパンも口に入れた。
『これもトムさんの焼くパンの味!』
出された料理は、間違いなく、いつものトムの味だった。
『本当にこの人がトムさん??』
この青年が言うように、マリーの脳裏にトムさんとこの青年が同一人物なのでは・・・とよぎったが、マリーは自分に言い聞かせるように、そんなことありえないとすぐに打ち消した。