若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
トーマス王子との新しい生活が始まった。

しかし、トーマス王子はトムそのもので、トムと過ごした生活リズムと全く同じだった。おまけに、マリーにとても優しく、トムと同じでマリーが嫌がるようなこと言ったりしたりすることもなかった。彼が美青年ということ以外はほぼトムと同じだった。

マリーもトムとトーマス王子が同一人物だと認識せざるを得なかった。

仕事も早く終わり、天気も良かったので、午後から2人は湖へ釣りをしに行った。
2人で並んで釣り糸を垂らしていたが、1時間ほど経っても、1匹も釣れなかった。

マリーが、

「今日は全然掛かりませんね。」

と言うと、

「そうですね。」

と、トーマス王子も残念そうに応えた。

次の瞬間、水面に浮いている浮きがピクっと動いた。

「マリーさん、引いてますよ!」

「は、はいっ!」

と言って、マリーは慌てて釣り竿を引き上げようとしたが、逆に引っ張られ前のめりになった。
< 33 / 85 >

この作品をシェア

pagetop