若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
そして3日目の朝。
マリーはやっと目を開いた。
高い天井に、見たことのない複雑な模様が広がっている。
『ここはどこ?』
マリーは全身に重だるさを感じていたが、ゆっくりと体を起こし、周りを見渡した。
広い部屋には高級な家具が置かれている。大きく美しい陶器の花瓶には、たくさんの花が飾られており、
部屋には良い香りが漂っていた。
寝具も上等なもので、とても柔らかくて軽い。
マリーが身に着けている服も、絹で出来た肌触りのよいものに替えられていた。
マリーはどうしてこんなところにいるんだろうと不安でいっぱいになった。
その時、扉が開き、ふくよかな中年の女性が入ってきた。看護師の女性だ。
看護師はすぐに目覚めたマリーに気づき、
「よかった。お目ざめになられて。体調はいかがですか?」
と、マリーに質問してきた。
マリーは自分の体調のことより、自分の置かれている状況の方が重要だった。
「あの、ここは一体どこですか?あなたは誰ですか?」
すると、看護師は、優しく微笑みながら、
「そうですよね。ここに運ばれて来た時は、マリー様は高熱でしたので、覚えておられませんよね。
ここは、お城の中です。私はトーマス殿下のご命令でマリー様の看病に当たりました看護師のルーシーと申します。」
看護師の言葉を聞き、マリーは、
「やっぱりトーマスさんは本当に王子様だったんですね…。」
と、呟いた。
「当たり前じゃないですか。トーマス殿下はこの国の王子ですよ。長い間不在にされていましたが、やっと戻られて。しかもこんな可愛らしい花嫁を連れて戻られたので、城中大騒ぎでしたよ。」
「花嫁…?」
「ええ。大事な花嫁様にもしもの事があったらと私も気が気ではなかったです。熱が下がって本当に良かったです。すぐに殿下にお知らせしないと!あっ、とその前に先に診察してもらいましょうね!」
と、嬉しそうに早口でそう言うと、パタパタと部屋を後にした。