若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
翌日の夜

執務室で仕事をこなすトーマス王子に、老人の姿をしていた時にも甲斐甲斐しく世話をしていた従者が、王子に手紙をそっと手渡した。

「ご苦労だった。」

と、トーマス王子は従者を労うと、
すぐさま仕事の手を止め、手紙を開き、さっと目を通した。

トーマス王子が手紙を読み終わったタイミングで、従者が、

「すぐに侍女に確認をさせましょうか?」

と言ったが、トーマス王子は、

「いや、いい。こそこそ調べることはしたくない。本人に事情を話した上で、確認する。」

と言って、部屋を出ていき、真っ直ぐにマリーの部屋へと向かった。

その頃マリーは、トムの計らいで、城に来てからも蜂蜜入りのホットミルクを寝る前に飲んでいた。マリーはホットミルクを飲みながら、侍女とたわいもない話をしていた。すると、

コンコンコン

と、扉がノックされた。

侍女がすぐさま、

「はい。」

と返事をすると、

扉の向こうから、トーマス王子が、

「少しマリーさんと話がしたいんだが。」

と言った。侍女が、マリーの方を見ると、マリーは、

「ええ。」

と、返事をしたので、侍女はマリーの肩に、大きなストールをかけた。昼間のドレスより少し露出の多いナイトドレスから、少しでも見える肌の量を減らすためだ。
それから侍女はいそいそと扉を開けた。

トーマス王子は、

「すまない。こんな時間に。」

と、マリーに謝った。

「大丈夫です。」

と、マリーは笑顔で応えた。

トーマス王子は侍女に下がるように言い、侍女が部屋を出たのを確認してから、話始めた。

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