若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
2人は向かい合わせに座った。

トーマス王子は、少しためらいながら、

「マリーさんに大切な話があって。」

と、切り出した。


「何でしょう?」

と、マリーが言うと、トーマス王子が質問で返した。

「以前、私の話をした時に、隣国ベリーナ王国の行方不明の姫の話をしたことを覚えていますか?」

「ええ。もちろん。婚約が決まった後に行方不明になったとか・・・。」

「そのことで、ずっと気になっていたことがあって。調べさせていたんです。」

「気になっていたこと?」

トーマス王子はゆっくり大きく頷いてから、話始めた。

「私は初めてあなたを教会で見かけた時、隣国の姫と初めて会った時と同じような感覚に陥ったんです。それがマリーさんの美しさに一目ぼれしただけなのか、ただの偶然なのかは自信がなかったんですが、あなたの話を聞いて確信に変わった。マリーさんは冬に教会で拾われたと言いましたが、その姫が行方不明になったのも同じ20年前の冬です。」

「で、でも、それだけじゃ・・・。」

マリーはトーマス王子の話を半信半疑で聞いていた。

「私が見た赤子のマリアンヌ姫は、金髪に、瞳の色はエメラルドグリーンだった。マリーさんも同じ色だ。」

トーマス王子は真剣な眼差しで、マリーを見つめながら言った。

「ただの偶然かも。こんな髪色、目の色をしている人はたくさんいるわ。」

「いや、いない。特にその目の色は限られた人間だけだ。私が知っている人の中ではベリーナ王国の王妃と、行方不明になった姫だけだ。」
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