若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
「本当に私でよかったのですか?」
と、老人はマリーに聞いた。マリーは笑顔で、
「あなたがいいんです。」
と、答えた。
それを聞いて老人は少しほっとしたような表情を浮かべた。
そして、袖に手を入れると、金貨の入った袋を取り出し、マリーに渡した。
「ありがとうございます。」
と、マリーは両手で丁寧に受け取ると、そのまま神父さまに渡した。
「こちらこそ、こんな老いぼれを選んでくれて、本当にありがとうございます。」
と老人は言った。
「あの、お名前を伺っても?」
と、マリーが聞くと、
「これは大変失礼しました。申し遅れましたが、私はトーマス・・・」
と、老人は言いかけて詰まったが、すぐに、
「トムと呼んでください。」
と、言い直した。
「トムさんですね。私の事は、マリーと呼び捨てになさってください。妻になるのですから。」
「いやあ、まだ慣れませんね。しばらくはマリーさんのままで。」
と、恥ずかしそうに言った。
二人のやりとりがなぜか初々しく、神父さまとリリアンも温かい気持ちになった。