若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした

「さて、トムさん、ここは教会です。今すぐにでも結婚式を挙げられますが、どうなさいますか?」

と、神父さまがトムに聞いた。するとトムは、

「神の前で、マリーさんに嘘をつかせるわけにはまいりません。」

と、答えた。

「そうですか。では、お二人の気持ちが揃った時に、改めて結婚式を挙げるということでよろしいでしょうか?」

っと、神父さまが言うと、

「はい。」

と、トムは静かに答えた。マリーはなんて優しい人なんだろうと思いながら、

「では、私は荷物を取ってきます。」

と言って、チャペルを出ると、自分の部屋に荷物を取りに向かった。すると、リリアンがマリーの後を追いかけて来た。

「マリー!私も手伝うわ。」

「ありがとう、リリアン。でも、荷物という荷物はほとんどないから、大丈夫よ。」

「そんなこと言わないで。今日で最後なんだから。」

「最後じゃないわ。時々教会にも手伝いに来られるようトムさんにお願いしようと思ってるの。」

「ほんとに?助かるわ!そんなことより、トムさんってすごくいい人そうよね!これで若ければ何も言うことなかったのに!」

と、リリアンはとても残念そうに言った。

「でも、あの優しさは長く生きたからこそかもしれないし。私はトムさんはトムさんのままでいいわ。」

「なに言ってんの!私は心配なの!このままマリーがトムさんの介護生活になって、女の歓びを知らないまま未亡人になってしまうのが!」

「未亡人だなんて!嫁ぐ日にそんな不吉なこと言わないで!」

「でも、私だったら断然若い伯爵を選ぶけど。どうして高齢のトムさんを選んだの?」
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