若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
トーマス王子は、その言葉を聞くと、スッと立ち上がり、マリーのすぐ隣に座った。
そして、

「この手紙に確認する方法が書いてある。」

と言って、トーマス王子は手紙を取り出すとマリーに見せた。
そこには、2つのほくろの位置が記されていた。

「2つのほくろの位置で姫かどうか確認出来る。大丈夫。服を着たままで確認できる場所だから。」

「分かりました。」

「じゃあ、確認するよ。」

「お願いします。」

「まずは、左手の人差し指の第二関節。」

と、トーマス王子が手紙を見ながら言った。
それを聞いて、マリーはドキリとした。自分の指のその位置に小さなほくろがあるからだ。

マリーは咄嗟に右手で左手を覆った。

「マリーさん?」

トーマス王子が声をかけた。

マリーは下を向き、手を隠していた。

「マリーさん、見せてくださいませんか?」

と、トーマス王子はマリーに優しく言った。マリーはゆっくりと左手を、トーマス王子の前に差し出した。

トーマス王子は、そっと優しくマリーの左手を取ると、自分の顔の近くに持っていった。そして、マリーの人差し指の第二関節のほくろを見つめた。マリーはトーマス王子に触れられた手から熱を帯びていくような感覚になった。胸の鼓動が早くなっていく。でもそれが、なぜそうなるのか、マリーにはまだ判断がつかなかった。姫であるかどうかの確認から来る緊張からなのか、それとも、トーマス王子に触れられたことによるものなのか。それから、トーマス王子は親指の腹でマリーのほくろを優しく撫で始めた。

マリーは驚いて思わず肩がビクッと揺れた。
気付いたトーマス王子が、すぐに詫びた。

「すまないが少し我慢してください。本物かどうか確認させてください。」

と言って、しばらくマリーの指を優しく撫でていた。
マリーの鼓動はさらに大きく早くなっていった。

『早く終わって!お願い!心臓の音がトーマス王子に聞こえてしまう!』

と、マリーは思った。

「手紙に書かれている場所と同じところにあるね。」

トーマス王子は落ち着いた様子でそう言ってから、マリーの手を解放した。
< 62 / 85 >

この作品をシェア

pagetop