若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
手を解放され、
マリーはホッと肩をなでおろした。
マリーは、たまたま1か所はほくろが記されている場所と同じところにあったが、あと見えるところには考えうる限りほくろはないので、これで確認作業は終わったと思い、
「これで確認は終わりましたね。」
と、言った。しかし、すぐにトーマス王子が否定した。
「いや、もう一か所確認させてほしい。」
「構いませんが、でも、私にはもうほくろはないはず。」
「いや、まだ分からないよ。自分では見えない場所だから。左耳の後ろの首筋のところだ。」
マリーは驚いた。確かに自分では見えない。
「・・・分かりました。」
マリーは少し躊躇しながらも、了承すると、座ったままゆっくりと方向を変えて、躊躇いながらもトーマス王子に背中を向けた。
それからマリーは、肩にかかっている大きなストールを腰の辺りまでずらした。
そして、艶のある美しい髪を、さっと手で右側に集め、そのまま右肩前に
垂らした。
その一連の動作は、さっきまでの清楚なマリーと同一人物とは思えないほど、なまめかしかった。
そして現れた細く白いうなじにトーマス王子はドキリとした。
そして、すぐにトーマス王子の目に、マリーの首筋にある小さなほくろが飛び込んできた。
「マリーさん、ほくろがありました。確認してもいいですか?」
手を触れられただけでもあんなに鼓動が早くなったのに、首を触られるなんて!
誰にも触られたことなんてないのに…。でもこれはあくまで確認…そう確認するだけよ。
マリーは自分にそう言い聞かせると、
「・・・・はい。」
と返事をした。
トーマス王子の手がマリーの首にそっと触れた。