若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
『 ん!・・・』
マリーは声を出すことはなんとか耐えたが、身体の奥から何か熱いものが込み上げてくる感覚に、身体がビクッと反応した。
トーマス王子の手が触れた瞬間、マリーの白い肌が、見る見るうちにバラ色に染まった。真珠のように光る肌は触れるととても滑らかで、トーマス王子は今すぐにでも、抱きしめて白い首筋に唇を這わしたいという衝動に駆られたが、今ここでそんなことをしたら、せっかく今まで積み上げてきた彼女からの信頼が一気に壊れてしまう。トーマス王子は気持ちを抑え、首筋のほくろを長い指でゆっくりと優しく撫で始めた。
『・・あっ』
マリーは必死に声を我慢した。トーマス王子に触れられて気持ちいいと思うなんて、はしたないと思われる。マリーはそのまま何とも言えない感覚に身を委ねていた。
しばらくすると、トーマス王子は、何も言わずに手を止め、マリーのストールを肩に掛け直した。それから、スタスタと扉の前まで行くと、マリーに背を向けたまま、
「明日、ベリーナ王国に報告します。近いうちにベリーナ王国に行くことになると思います。遅い時間に悪かった。」
と言って、マリーの部屋を後にした。マリーからはトーマス王子の表情を見ることが出来なかった。
扉が閉まると、マリーはそのままベッドに倒れこんだ。
火を噴く寸前かと思うくらい身体中が熱かった。
トーマス王子は扉の前で、自分の口元を右手で覆った。
危なかった・・・もう少しで抑えがきかなくなるところだった…。