若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
隣国ベリーナ王国からの返事が来たのは、それから二日後だった。

手紙には、すぐに連れて来て欲しいということが書かれてあった。

マリーの体調もすっかり良くなり、医師の許可も出たので、その翌日、朝早くにトーマス王子とマリーは、大きな馬車に乗り、ベリーナ王国に向けて出発した。

あの夜からトーマス王子はマリーと会っていなかった。一緒にベリーナ王国に行くために、大量の仕事をこなしていたからだ。3日ぶりにマリーに会えることをトーマス王子は喜んでいたが、マリーの態度は素っ気ないものだった。

馬車の中では、マリーはなかなかトーマス王子と目を合わす事が出来なくなっていた。トーマス王子を見ただけで、先日の夜の事を思い出し、顔から火が出そうになる。

トーマス王子が、

「マリーさん、体調は大丈夫ですか?」
「マリーさん、馬車の揺れは大丈夫ですか?」
「マリーさん、疲れたら言ってください。」

と、何を聞いても、目を合わせようとせず、

「…はい。」

と一言答えるだけだった。


トーマス王子は、そんなマリーの素振りに、

『やはり嫌われてしまったのだろうか…
。』

と疑心暗鬼になっていた。


一緒に馬車に乗っていた従者とルーシー看護師の2人も、そのよそよそしさに首を傾げていた。


病み上がりのマリーの為に、途中休憩を入れながら進んだので、ベリーナ王国に到着する頃にはすっかり日も落ちていた。
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