若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
ベリーナ王国

夜遅くに隣国に到着した一行は、マリーの体調の事も考え、すぐに休むことにし、国王陛下達への挨拶は、翌日に回される事となった。

トーマス王子のいる城に負けず劣らず、この国のお城も立派なものだった。


マリーとルーシー看護師は、同じ部屋で休むこととなった。本来ならあり得ないが、マリーの体調にまだ不安があったので、マリーの泊まる部屋に簡易の寝台を運び込み、同じ部屋で休めるようにしてもらった。

ルーシー看護師は、馬車の中でのトーマス王子に対するマリーの態度に疑問を抱き、マリーに真相を尋ねてみた。


「マリー様、トーマス殿下と何かありましたか?」

その質問にマリーはドキリとした。忘れかけていたあの夜のことが脳裏に浮かび、頬を染めながら、

「え?ええと、何もないです。」

と、答えた。

ルーシー看護師も伊達に長く生きているわけではない。すぐに嘘だと見破ったが、追求することはなかった。
しかし、ルーシー看護師は、自分の思いをマリーに伝えた。

「マリー様、これは年寄りの独り言だと思って聞いてください。女性は意地を張っていい事なんて1つもないんです。素直になるのが幸せになる1番の近道なんです。どうか、大事な時には意地を張らずに自分のお気持ちに素直になってください。そうすれば人生の中で後悔することはなくなりますよ。」

「ルーシーさん…ありがとうございます。覚えておきます。」

と、マリーは言った。

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